40代男性 天然歯をできる限り残すためにインプラントを用いながら虫歯の治療と噛み合わせを改善した症例
2024.12.15
治療前
治療後
年齢と性別 | 40代 男性 |
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ご相談内容 | 「虫歯がたくさんあって食べにくい。治療をしてほしい」とご相談いただきました。 |
カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、上下左右の歯(第1小臼歯)4本と右下の奥歯(第2大臼歯)が欠損しており、上下の歯が噛み合わず食事がしにくい様子でした。 また、多数の歯に虫歯が確認され、特に右上の親知らず(第3大臼歯)や左上の2本の歯(中切歯、第2小臼歯)、右下の奥歯2本(第2小臼歯、第1大臼歯)、および左下前歯(側切歯)は虫歯の進行が重度で、歯根がわずかに残る「残根」の状態です。 残根は被せ物の装着が難しいため抜歯が必要ですが、そのほかの虫歯は治療によって保存が可能と判断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 歯をできるだけ残すために、虫歯をしっかりと取り除き、保存が難しい歯は抜歯を行うことを提案しました。さらに、右上の親知らず以外の抜歯部位は、被せ物を連結した「ブリッジ」や抜歯部位の骨に人工のネジを埋め込む「インプラント」で隙間を補い、噛み合わせを改善する治療計画を説明し、同意いただきました。 はじめに、残根である右上の親知らず(第3大臼歯)や左上の歯2本(中切歯、第2小臼歯)、右下の奥歯2本(第2小臼歯、第1大臼歯)、左下前歯(側切歯)の抜歯を行い、歯ぐきの治癒を待つ間に虫歯を除去します。併せて、細菌感染していた歯根内部を清掃・消毒する「根管治療」も実施しました。 左右の奥歯でしっかりと噛めるよう下の歯の治療から開始し、右下奥歯には3本のインプラントを埋め込み、上の歯との噛み合わせを回復しました。 今回の治療では、インプラントと結合する骨の形成を促し、周囲の組織を健康的に維持しやすい「アンキロスインプラント」を採用しています。 また、左下奥歯2本には銀歯を装着し、左下前歯には側切歯抜歯後の隙間を補うため、保険診療のブリッジを製作しました。 下の歯の治療を終えたところで、上前歯の治療に移ります。上前歯は歯根が残っていましたが、歯ぐきに少し埋もれた状態で被せ物を装着するには、歯ぐきより歯根が少し出ている必要があります。そのため、歯ぐきの形を整える「歯冠延長術」を行い、被せ物が装着しやすい形に整えました。 その後、歯根に被せ物の土台を作り上げ、左上中切歯の隙間を補うようブリッジを装着しました。 同様に左上第2小臼歯の隙間もブリッジで補い、右上奥歯2本は虫歯治療後に銀歯を被せて全体的にしっかりと噛めるようになったことを確認したのち、治療を終了しています。 |
治療期間 | 1年 |
おおよその費用 | 約1,500,000円 |
術後の経過・現在の様子 | 治療後の状態をなるべく長く維持するには定期的なメンテナンスが大切です。 患者様にはメンテナンスの重要性もお伝えして、定期的にメンテナンスに来ていただいています。 |
治療のリスクについて | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・根管治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります ・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎などにかかる可能性があります ・土台となる歯に負担がかかるため、将来的に歯が揺れたり、歯の根が割れたりする可能性があります |
治療前詳細
治療中詳細
治療後詳細
この症例の担当
院長 末石 哲之
所属学会
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 日本顎顔面インプラント学会
- 顎咬合学会 咬み合わせ認定医
- 日本放射線学会 放射線優良医
- 臨床研修指導医
- 即時荷重学会
- 臨床歯周病学会
- スポーツ歯科学会
- CAD/CAM歯科学会
- 柏歯科医師会
- 日本大学松戸歯学部口腔インプラント研究会