インプラントの構造について
2022.05.03
インプラントは様々なパーツで構成されています。その複雑な構造について説明します。
インプラント体は骨に直接埋め込むインプラント体と中間構造体のアバットメント、被せ物の上部構造から構成されています。アバットメントはアバットメントスクリューと呼ばれるネジで固定されています。
アバットメントには審美的なジルコニアアバットメントもあります。
インプラント体
インプラント体はその名の通り、インプラントの土台になる部分です。材質はチタンまたはチタン合金が多く、直径3~5mm、長さ6~18mmと骨の状態により選択します。当院では、幅が4mm長さが10mmを基準として考えてます。
最もオーソドックスな形は、ネジのような形をしているスクリュータイプです。ネジ状にすることでインプラント体と骨が接触する面積が拡大し、顎の骨と結合しやすくなります。また初期固定を高めるためのテーパー状の形態、初期固定が高くなりにくいストレート形状など形は様々です。インプラント体と骨の接触する面積(BIC)が増えれば、より強固に土台であるインプラント体を支えることができるため、現在ではこの形が一般的に多く見られます。
人体に埋め込むため、アレルギー反応の少ないチタンという素材を使っているのも特徴。チタンは生体親和性に優れており、腐食しにくいという特色を生かしています。
アバットメント
アバットメントは、上部構造とインプラント体を接続する金属パーツです。アバットメントはアバットメントスクリューでインプラント体と固定されています。アバットメントに上部構造をかぶせてインプラント補綴(被せ物)が完成をします。
アバットメントには高さを調節する役割があり、患者様の歯肉の厚さ、インプラントの埋入角度などを考慮して、最適なものが使用されます。また形状も少しずつ違い、かみ合わせが悪くならないように工夫がなされているのです。現在はCADCAMの技術の向上によりミクロン単位で調整が可能です。
インプラントの中にはアバットメントとインプラント体が一緒になっているものもあります。上部構造・アバットメント・インプラント体の3点セットになっているインプラントよりも価格が安いのが特徴です。
CADCAMの技術によるアバットメントの作成
アバットメントの材質による違い
金合金
純チタン
チタン合金
セラミック
アバットメントはインプラント体と上部構造を接合するための連結装置です。そのため複数の材質があるものの、インプラント体と同じメーカーの同じ規格の物しか適合しないようにできています。
通常アバットメントの役割は、上部構造をかぶせるための土台です。それとは別にインプラントの頭出しの手術をする際に装着し、インプラント周囲の粘膜を治癒させる目的のものもあります。この処置を施すことで、上部構造の機能や審美性に合わせて、土台となる歯茎部分の立ち上がりや傾斜を変化させることができます。
上部構造(人工歯)
上部構造(人工歯)とは、インプラントの最上部に設置されるセラミックなどを素材としたパーツです。実際にものを咀嚼する役割を持ち、外から見える部分にあたります。インプラント治療の段階で他の自然歯と色を合わせることができるため、入れ歯やブリッジのように目立ってしまうことがありません。
上部構造には主にジルコニアが使用されてきました。ジルコニアは人口のダイヤモンドと言われるほどの強度と生体親和性があります。以前より材料の進化がされ審美的にもかなり安定してきました。現在ではほとんどの症例でジルコニアを使用しております。
しかしながら経年劣化で徐々に変化することが研究報告でなされています。しかしその割合はごくわずかで、基本的なケアやメンテナンスを行えばを問題ないことがほとんどです。
インプラントの材料は?
インプラントの材料には、主にチタンやチタン合金が用いられます。骨としっかり結合するため、頑丈で耐久性に優れています。