60代男性 痛みのあるブリッジを除去してインプラントブリッジを併用し噛み合わせを改善した症例
2024.12.15
治療前
治療後
年齢と性別 | 60代 男性 |
---|---|
ご相談内容 | 「以前、前歯に被せ物を入れたが、その部分で噛むと痛い。また下の歯がないため、噛みにくいのも気になる」とご相談いただきました。 |
カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、上の前歯5本(左右中切歯、側切歯、左犬歯)が欠損しており、その部分を補うために、複数の人工歯を連結した被せ物「ロングスパンブリッジ」が装着されていました。 しかし、欠損している歯に対してブリッジの土台となる歯の本数が少ないことが原因で、噛み合わせた際に過剰な力がかかり、歯を支える歯茎や骨を含む周囲組織が炎症を起こす「咬合性(こうごうせい)外傷」が上の前歯に生じている状態です。 このまま歯の欠損を放置すると、土台の歯に過剰な負担がかかって歯根にひびが入る、歯がぐらつくなどの症状が出るおそれがあり、これらが進行すると最終的には歯を失うリスクもあります。 さらに、左下の奥歯3本(第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯)も欠損しており、左側が欠損した状態を放置すると右側に噛む力が集中し、歯や顎に痛みが出る危険性があります。 以上のことから、痛みのあるブリッジを外してから上下の欠損部分を補う治療を行い、お口全体でしっかりと噛めるようにする必要があると診断しました。 |
行ったご提案・治療内容 | 噛み合わせを回復する方法として、上下の欠損部分の骨に人工の歯根を埋め込む「インプラント治療」を行い、上部のインプラントを新しいブリッジの土台にする治療を提案しました。 <インプラント治療を用いた場合のメリット> ・ブリッジの土台となる歯の本数を増やすことで、ブリッジ自体の長さを短くできるうえ、噛む力の負担を分散させることができる ・インプラントは骨と結合するため、長期間にわたり自分の歯と似た感覚でしっかりと噛むことができるようになるなど、噛み合わせの改善が期待できる 患者様は歯の状態が長持ちする方法を希望されていたため、インプラント治療について丁寧に説明し、同意いただきました。 奥歯は噛む力が強くかかりやすいため、左下には欠損数と同じ3本のインプラントを埋入し、それぞれに被せ物を作製しました。 上の前歯部分には、欠損数よりも少ない3本のインプラントを埋入して、インプラントを土台とした新しいブリッジを入れ、もともとの土台だった歯には単独の被せ物を装着しています。 被せ物を装着する際には、セメントを使用せずにネジで固定する「スクリュー固定」を採用し、メンテナンスがしやすいよう配慮しました。 最後に、ネジ穴は審美性を損なわないよう白い歯科用プラスチック「コンポジットレジン」で埋めています。 また、上下の複数の歯に装着されていた保険適用の被せ物をすべて、白い陶材「セラミック」の中でも特に高い耐久性がある「ジルコニア」を使用した被せ物に作り直し、お口全体が長期的に良好な状態を維持できるよう治療しました。 現在は3ヶ月に一度のメンテナンスを行い、経過観察を行っています。 |
治療期間 | 約1年 |
おおよその費用 | 約2,400,000円 |
術後の経過・現在の様子 | メンテナンスにも通われていて治療後も安定して噛めています。 |
治療のリスクについて | 治療後も安定して噛めています。 |
治療前詳細
治療後詳細
この症例の担当
院長 末石 哲之
所属学会
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 日本顎顔面インプラント学会
- 顎咬合学会 咬み合わせ認定医
- 日本放射線学会 放射線優良医
- 臨床研修指導医
- 即時荷重学会
- 臨床歯周病学会
- スポーツ歯科学会
- CAD/CAM歯科学会
- 柏歯科医師会
- 日本大学松戸歯学部口腔インプラント研究会