70代女性 重度歯周病による抜歯後にインプラントを用いた入れ歯で噛み合わせを回復した症例
2026.02.20
治療前
治療後
| 年齢と性別 | 70代 女性 |
|---|---|
| ご相談内容 | 「他院で新しく入れ歯を作製したが、痛みや圧迫感があってうまく噛むことができない。食事中に外れやすく、日常生活にも支障が出ているので、調整や作り直しなど可能な改善方法を知りたい」とご相談いただきました。 |
| カウンセリング・診断結果 | 現在使用されている入れ歯を拝見したところ、患者様の口腔状態と合っておらず、これが痛みや外れやすさの原因になっていました。 また口腔内を確認すると、重度の歯周病により、多くの歯が大きくぐらついています。 さらにレントゲン撮影をして詳しく検査した結果、歯を支えている骨が大きく失われていたことがわかり、温存が難しい状態の歯も複数ありました。 このまま無理に歯を温存しようとすると、ぐらついた歯で噛み続けることで健康な歯にも負担がかかり、連鎖的に歯を失うリスクが高まります。 以上のことから、歯周病の治療と入れ歯の作り直しが必要だと診断しました。 |
| 行ったご提案・治療内容 | 患者様には以下の治療方針を提案し、同意いただきました。 ・歯周病が進行して温存が難しい歯は抜く ・上顎は、インプラント(人工歯根)を用いた入れ歯で治療を行う ・治療期間中もできるだけ食事に困らないよう、現在の入れ歯を調整しながら治療を進める インプラントを用いた入れ歯「インプラントオーバーデンチャー」は、顎の骨に埋め込んだインプラントで入れ歯を支えるため、通常の入れ歯と比べて安定性が高い特徴があります。 一方で、外科処置が必要になること、治療期間が長くなること、費用が高額になることがデメリットです。 まず歯周病治療として、原因となる歯垢(細菌の塊)や、歯垢が唾液中の成分と結合して硬くなった歯石を丁寧に除去し、炎症のコントロールを行いました。歯周病による炎症が続いていると、抜歯後の傷の治りが遅れたり、インプラントを支える骨が十分に安定しなかったりするリスクがあります。 次に、温存が難しいと判断した上前歯5本(左右中切歯、左右犬歯、右側切歯)を抜き、その日のうちに左右の前歯と奥歯に計4本のインプラントを埋め込みました。 抜歯とインプラントを同じ日に行うことで治療にかかる期間を短縮できるうえ、入れ歯を支える骨をできるだけ守ることにもつながります。 インプラントと骨がしっかり結合するまでは、調整した既存の入れ歯を使用していただきました。 経過観察後、インプラントと骨の結合が確認できたため、最終的な入れ歯の製作に進みます。 新しい入れ歯には、強度と安定性を高めるために土台部分に金属を使った「金属床義歯」を選択しました。 金属床は薄くできるため違和感が少なく、丈夫で長持ちしやすい特徴があります。 埋め込んだ4本のインプラントで入れ歯を支えるよう設計し、型取りを行いました。 後日、完成した入れ歯を装着し、噛み合わせや見た目に問題がないかを確認して、治療を終了しています。 |
| 治療期間 | 約6ヶ月 |
| おおよその費用 | 約930,000円 |
| 術後の経過・現在の様子 | --- |
| 治療のリスクについて | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎などにかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・着脱式のため、食後の清掃が必要です ・自費診療(保険適用外治療)です |
治療前詳細
治療中詳細
治療後詳細
この症例の担当

院長 末石 哲之
所属学会
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 日本顎顔面インプラント学会
- 顎咬合学会 咬み合わせ認定医
- 日本放射線学会 放射線優良医
- 臨床研修指導医
- 即時荷重学会
- 臨床歯周病学会
- スポーツ歯科学会
- CAD/CAM歯科学会
- 柏歯科医師会
- 日本大学松戸歯学部口腔インプラント研究会
