60代女性 古い被せ物を作り直して審美性を改善させた症例
2026.02.26
治療前
治療後
| 年齢と性別 | 60代 女性 |
|---|---|
| ご相談内容 | 「20年前、受け口を改善するために審美歯科で被せ物による治療を受けたが、仕上がりに不満が残った。最近、再び気になるようになったため、再治療が可能かを相談したい」とご相談いただきました。 |
| カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、上下前歯には金属製の土台「メタルコア」を使用した被せ物(クラウン)が装着されており、被せ物と歯茎の境目付近が黒くなっていました。 被せ物の土台がメタルコアの場合、以下のような理由から歯茎との境目が黒く見えることがあります。 ・メタルコアから溶け出した金属成分が歯茎に沈着し、黒色〜青黒色に見えることがある ・歯茎が薄い方の場合、土台の金属色が透けて暗く見えることがある ・土台を作製したり形を整えたりする時に生じた金属の細かな粉が歯茎に入り込み、黒い点として見えることがある(メタルタトゥー) そのため、黒ずみの原因であるメタルコアを除去する治療が必要でした。 また、保険適用の白い詰め物(コンポジットレジン)が充填されている部分には変色が見られます。ご自身の歯、被せ物、コンポジットレジン、それぞれの色調が異なっていることで審美性に影響が出ているため、上下前歯(合計12本)の被せ物と詰め物を新しくする必要があると診断しました。 また、左上前歯2本と左右下前歯2本は、細菌感染した神経を取り除いてから薬を詰める「根管治療」が施されていましたが、薬が歯根の先までしっかり詰められていなかったため、「再根管治療」が必要であることも併せてお伝えしています。 |
| 行ったご提案・治療内容 | 患者様には、以下の治療方針を提案しました。 1:左上前歯2本と左右下前歯2本に装着されていた被せ物を外し、先に再根管治療を行う。 2:メタルコアを除去し、白い樹脂製のファイバーコアを用いて土台を修復する。 ファイバーコアは自費診療なので比較的費用がかかり、メタルコアよりも強度は劣るため症例によっては使用できませんが、天然歯に近いしなやかさがあり、歯根が割れるリスクを低減できる点がメリットです。 3:色味に違和感がある被せ物を除去し、左上前歯2本と下前歯6本は、天然歯に近い色が出せる「セラミック」の被せ物を装着する。 今回は被せ物の素材として、セラミックの一種である「ポーセレン前装ジルコニア」を選択しました。 ポーセレン前装ジルコニアは、内側には硬くて丈夫なジルコニアが用いられ、外側にはポーセレン(陶材)が焼き付けられており、審美性と強度のバランスに優れている被せ物です。ただ、強い力がかかると外側のポーセレンが欠けるリスクがあります。 4:右上前歯3本と左上前歯1本には、表面に薄いセラミックの板を貼り付けて色や形を整える「ポーセレンラミネートベニア」を行う。 強い衝撃で割れたり、噛み合わせによっては使用できなかったりしますが、歯をほとんど削らずに自然な見た目を再現することが可能です。 以上の流れをお伝えし、治療に同意いただきました。 まず、左上前歯2本と左右下前歯2本の古い被せ物と土台を除去してから再根管治療を行い、ファイバーコアで土台を作ります。 続いて、新しい被せ物やポーセレンラミネートベニアの装着をするため、各部位の型取りを行いました。 後日、完成した被せ物やポーセレンラミネートベニアを装着し、見た目や使用感に問題がないことを確認して、治療を終了しています。 |
| 治療期間 | 約6ヶ月 |
| おおよその費用 | 約1,650,000円 |
| 術後の経過・現在の様子 | --- |
| 治療のリスクについて | ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・中の歯の色の影響を受けやすいため、変色が強い歯には適さない場合があります ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |
治療前詳細
治療中詳細
治療後詳細
この症例の担当

院長 末石 哲之
所属学会
- 日本口腔インプラント学会 専門医
- 日本顎顔面インプラント学会
- 顎咬合学会 咬み合わせ認定医
- 日本放射線学会 放射線優良医
- 臨床研修指導医
- 即時荷重学会
- 臨床歯周病学会
- スポーツ歯科学会
- CAD/CAM歯科学会
- 柏歯科医師会
- 日本大学松戸歯学部口腔インプラント研究会
