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インプラントの補助手術 GBR 骨造成

2022.03.02

骨再生誘導法 (GBR法:guided bone regeneration)

GBR(Guided Bone Regeneration:骨再生誘導法)とは、インプラント治療において、骨の厚みや高さが足りない場合に行う歯槽骨を再生する方法です。 歯周病の重症化により骨吸収が進んだり、抜歯後に骨が減少することによって、歯槽骨を一度失ってしまうと、その部分へのインプラントの埋入が難しくなります。


インプラント体を埋入後に骨の幅が足りない所に自家骨(自分の骨)もしくは人工骨を補填する。骨の上には上皮の侵入を防ぐ目的で人工の膜を設置し、縫合を行う。

GBR:術式の種類と適応 同時埋入法とステージアプローチ(二回法)

骨造成の術式には、同時埋入法とステージアプローチ(二回法)があります。
残存している骨の量や幅、インプラント埋入部位など状況により術式を決定します。
①同時埋入法
インプラントを埋入できるくらいの骨はあるものの、インプラントの一部がはみ出してしまう場合に適用されます。はみ出したインプラントの表面に人工骨や削片骨とメンブレン(保護膜)を置くことで、インプラント体周囲がすべて骨で囲まれるように骨造成を行います。インプラント埋入と同時に行うことが可能なため、比較的短い治療期間で治療が完了します。

②ステージアプローチ(二回法)

骨が極度に細く、インプラントの埋入自体も困難な場合に適用となります。下顎の親知らずがある(あった)場所付近やオトガイ部などからブロックで骨を採取し、不足した部位に移植を行います。移植をした後、約4〜6ヶ月待ってインプラントの埋入手術を行います。同時法と比較して、治療期間が長くなることと、インプラントを埋入する部位以外にも外科的侵襲が必要になる(傷口が二箇所になる)ことが大きなデメリットとなります。

治療のリスク

リスクは“移植骨の感染”です。移植した人工の骨が、清掃不良や喫煙などの原因によって感染を起こしてしまう場合があります。
 また、段階法では、インプラント埋入部位に加えさらに異なる部位より骨を採取するため侵襲が大きくなり、術後の腫れや痛みが大きくなる可能性があります。また、下顎の神経に近いところから骨を採取するため知覚の麻痺がおこる可能性があります。

【症例】同時埋入法

年齢/性別 50歳/女性
治療期間 6ヶ月
治療回数 10回
治療費 インプラント手術  210000 × 3
GBR 55000
精密印象      30000
上部構造      165000 × 3
   合計 1210000円
リスクなど ・下⻭槽神経を損傷する場合があります(知覚異常や鈍⿇)。インプラント⼿術の際に下顎神経に触れた、もしくは近かったなどで神経を損傷したり、圧迫することで起こります。インプラントによる神経の圧迫、損傷、切断がある場合はインプラントを撤去します。経過を⾒る場合や、内服薬で治療を⾏うこともあります。
・インプラントは、⼊れ⻭治療とは異なり、外科⼿術が必要です。今まで問題がなかった神経や⾎管などにも⼿を加えることがあるためリスクが伴います。また、⼿術⾃体受けられない場合もあります。免疫⼒や抵抗⼒が低下しやすいため、歯周病の発生リスクが高いとされる糖尿病の方、口腔内の衛生状態が悪い方や、顎の骨が足りない方、喫煙者の方は、事前に生活習慣の改善・治療が必要となる場合があります。


右下に欠損が認められる。

インプラント埋入予定部位は骨吸収が進んでおり、骨の形態は先端が尖った形態となっている。

粘膜は萎縮しており、水平的に骨幅や粘膜の幅が減少している。長期間にわたり義歯を使用しているため骨吸収が起こってしまっている。

インプラント埋入と同時にGBR(骨造成法)を行なった。人工骨を補填した後にメンブレンを置いて縫合を行なった。しっかりとした治癒を得るために二回法とした。

インプラント二次手術後、治癒を待ちヒーリングアバットメントを外した状態。インプラント手術前と比べて骨と粘膜の幅の増加があり、インプラント周囲粘膜も炎症がない状態である。

上部構造装着後。スクリュー固定にて上部構造を装着し、スクリューホールをCRにて封鎖した。上部構造にはジルコニアを使用し審美的にも回復した。

【症例】ステージアプローチ(二回法)

年齢/性別 50歳/女性
治療期間 10ヶ月
治療回数 15〜20回
治療費 513000円
リスクなど ・上顎にインプラントを埋める際に、上顎洞を破る場合があります。⼿術した時に感染が⽣じると蓄膿症になる場合があります。この場合は、インプラントを除去する場合もあります。また、蓄膿症の治療には⽿⿐咽喉科にて治療が必要な場合もあります。
・外科⼿術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴いますメンテナンスを怠ったり喫煙により、お⼝の中に⼤きな悪影響を及ぼすインプラント周囲炎等にかかる 可能性があります。
・糖尿病、肝硬変、⼼臓病等の場合、インプラント治療ができない可能性があります。⾼⾎圧、貧⾎・不整脈等の場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります。
・⾃費診療(保険適⽤外治療)となります


根尖部に透過像があり、動揺も強く抜歯が必要な状態であった。


歯後3ヶ月の状態。根と思われる不透過像が存在しており骨吸収もある状態である。水平的にも垂直的にも骨量が減少しているためステージアプローチによるGBRの計画をたて同意を得た。


インプラント埋入後パノラマ写真。幅と長さの十分なインプラント体を埋入することができた。


上部構造装着。クリアランスも少なく近遠心的に幅が大きい状態であったため強度があり審美的なジルコニアを使用した上部構造をスクリュー固定で作成を行った。

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