インプラントの補助手術 ソケットリフト
2022.02.19
ソケットリフト(上顎洞挙上術)はサイナスリフト同様に、骨補填材を入れて骨再生を行う治療法ですが、増やす骨量が比較的少ない場合に行われる施術のため、インプラントの埋入と骨造成を一度に行えます。ただし、骨の厚みが8mm以上ある場合に適応となります。
また、インプラントを埋入するための穴から骨補填材を入れるため、傷口が小さく済みます。
ソケットリフトの手順
治療開始
局所麻酔を行い、必要があれば静脈内鎮静法を併用します。インプラントを埋入するため穴を空けます。 上顎洞粘膜に届かないようにバーで深さの調整をしながら形成を行います。ー1〜2mmほど削合します。
上顎洞粘膜を押し上げ、骨補填材を充填する
上顎洞粘膜を破かないように低速で回転する特殊なバー(リフティングドリル)を使用して粘膜を押し上げます。粘膜が挙上し、粘膜が損傷していないことを確認後に骨補填材を入れ、シュナイダー膜を押し上げます。インプラント体が十分に入るほどの骨を上顎洞粘膜との隙間に填入します。
インプラントの埋入
十分な量の骨補填材を入れたら、インプラントを埋入します。上部構造(人工歯)は4~5ヶ月後、骨が作られてから装着します。
症例
年齢/性別 | 45歳/男性 |
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治療期間 | 4ヶ月 |
治療回数 | 6回 |
治療費 |
インプラント手術 244000円 ( オステムインプラント 2本分) ソケットリフト 33000円 精密印象 20000円 上部構造 330000円 ポンティック 55000円 合計 682000円 |
リスクなど |
・上顎にインプラントを埋める際に、上顎洞を破る場合があります。⼿術した時に感染が⽣じると蓄膿症になる場合があります。この場合は、インプラントを除去する場合もあります。また、蓄膿症の治療には⽿⿐咽喉科にて治療が必要な場合もあります。 ・外科⼿術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴いますメンテナンスを怠ったり喫煙により、お⼝の中に⼤きな悪影響を及ぼすインプラント周囲炎等にかかる 可能性があります。 ・糖尿病、肝硬変、⼼臓病等の場合、インプラント治療ができない可能性があります。⾼⾎圧、貧⾎・不整脈等の場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります。 ・⾃費診療(保険適⽤外治療)となります |
CT写真よりインプラントを埋入するだけの垂直的骨量が不足している状態。ソケットリフトを併用して同時にインプラント体を埋入する計画を立てた。
インプラント埋入手術後のCT写真。インプラント体の先端をドーム状に不透過像が覆っており、上顎洞粘膜を穿孔せずにインプラント体の埋入手術が行えた。初期固定が良好であったため一回法にて手術を終えた。
インプラントの骨結合に3ヶ月ほど経過してから上部構造を作成していく。